農業経営の安定を届ける農業共済

令和3年5月4週号

「就農2年目の挑戦 畑を子供たちの遊び場に」
「自然と子ども達の距離を近づけるのが畑であり、農業であると考えています。」
そう語るのは、半田市で露地栽培を営んでいる青木健吾さん(30)

 幼少期は、養蜂を営んでいた祖父と山を駆け回っていた記憶から「働く=農業」というイメージがあった。
 大学の卒業論文は「新規独立就農のための参入方法」と自身の就農を視野に入れたものであった。当初は卒業後すぐに就農する予定であったが、農家さんへの聞き取り調査の際に「就農するなら一度就職をして社会に出てからでも遅くはない」と就職を勧められ、卒業後はJAで6年勤めた。
 JAを退職後、株式会社太田農園で、実習生として1年間栽培技術を学び、令和元年に独立を果たした。
 青木さんは露地野菜を1ヘクタール栽培しており、食べて健康になって欲しいという願いから、ニンニクとショウガの栽培に力を入れており、ショウガパウダーなどの加工品も製造している。また、それ以外にも、サニーレタス、大根、カリフラワーなど多種多様な作物を生産している。
 栽培方法は無農薬、無化学肥料を掲げ、肥料は近隣の畜産農家から購入しており、完全熟成のものにこだわっている。


生育途中のニンニクを手にする青木さん。4月ごろから可食部である鱗茎が肥大し5月ごろに収穫される。


農薬を使用しないため、日々、草刈り作業に明け暮れているとのこと。

 独立後の1年間は、作物の育成が思うようにいかず、ネット通販への参加などコロナ禍への対応も行ったが、商品の生産が間に合わないなど、思った通りの営農ができなかったと悔やんでいた。
 「独立してからも学ぶことが多く、農業の可能性も広がってきた。自分の夢に向かうために今一番欲しいのは人ですね。」と話す。現在は、週に1度の福祉施設からの施設外就労によるお手伝い以外は1人で作業を行っている。規模も拡大し、機械も新しいものを導入するなど、やりたいことが多いとのこと。
 将来はショウガ、ニンニクを中心とした飲食店の開業と、山で子供たちが遊べる場を開くことを考えている。先日、子供の遊び場として友人が農地を利用する機会があった。遊具も何もない農地で走り回っている子供たちを見ると、自分の夢が近づいていると感じたと話してくれた。 (加藤)