農業経営の安定を届ける農業共済

令和5年9月4週号

遊べる体験観光農園へ。炭素循環農法で育むウェルハート農園の挑戦。
半田市 有限会社ウェルハート 


半田市の石川悦男(いしかわ えつお)さん(71歳)は福祉事業を主として有限会社ウェルハートを経営しているが、親族の使わなくなった農地を活用したいとの思いから農地を借り受け農業事業として「ウェルハート農園」を始め3周年を迎えた。  


農園の看板前で笑顔を見せる石川さん


農園は第1農園から第4農園まであり、全体の敷地面積は約2万平米になる。
遊べる体験観光農園を目指し、ブルーベリーを中心に果樹などをハウスや露地で栽培している。ブルーベリー狩りができる農業体験ができるほか、丸太の遊具などで遊べたり夏にはカブトムシがいたりするなど自然の中で遊ぶことができる場所になっている。


ブルーベリーは養液栽培、その他の作物はポット栽培やコンテナ栽培と分けており、栽培方法のこだわりについて石川さんは「目指しているのは炭素循環農法で自然に近い環境で育てること。できる限り木の持っている本来の力を引き出してあげたい。」と話す。畑全体に木材チップを敷き詰めることで枯れ葉が土に還るような山の状況を再現して、ポットやコンテナごと木材チップの中に埋めることで農薬や肥料を使わない栽培が可能になっている。「木材チップの中に埋めているだけでも順調に育っている。それを見ているのが楽しみになっています。」と自信を持って話す。


収穫直前のブルーベリー


今年はブルーベリー狩りを中心にマルシェなどのイベントを開催。「今シーズンのブルーベリーは粒も大きくよく採れてよかった」と石川さん。また、フェイジョアの苗木の販売も始め、「フェイジョアは育てやすく、手間がかからないため庭木におすすめ。花はきれいに咲いて果実はトロピカルな味わいでおいしい。収穫後追熟させてやわらかくなったら食べ頃。」と話す。
今後について、「苗木がうまく育ったらどの季節に来ても旬の果物が楽しめるような収穫体験農園にしていきたい。」と考え、現在、ブルーベリー、イチジク、柑橘類を含む100種類以上の果樹を栽培している。「いろんな味を食べてみたい、比べてみたいという気持ちから育てている。お客さんがいつ来てもいろいろな果実が楽しめる農園にしていきたい。」と語った。
(坂井)