リスク管理基本方針
1.目的
(1)リスク管理は、愛知県農業共済組合(以下、「組合」という。)の健全かつ適
切な業務運営を確保し、共済契約者に対する保障と安心を永続的に提供するた
めに実施する。
(2)組合の理事会は、組合が抱える各種リスクを体系的・組織的に管理するための
基本方針として、本方針を定める。
2.基本的考え方
(1)統一的かつ継続的なリスク管理
リスクの根源を正確に把握した上でリスクの評価を行い、理事会の主導のもと、
統一的かつ継続的なリスク管理を実施する。
(2)役職員個々のリスク管理に対する認識の共有
業務を運営する際には必ずリスクが内在していることから、役職員すべてがリス
ク管理の担い手であることを認識した上でリスク管理を実施する。
(3)関係諸法令等の遵守
リスク管理を実施するに際しては、関係諸法令、定款、理事会の決定及び関係諸
規則を遵守する。
3.管理対象リスクの種類及び定義
リスクには、事象の発現自体が事業目標達成の阻害要因になるものと、業務運営上
必要な事象ではあるが運営上過大な負担となり事業目標達成の阻害要因になると見込
まれるものがある。
組合においては、共済事業特有のリスクの発生源泉に則して、以下に掲げる(1)
及び(2)に大別し、さらに①から⑥のリスクに細区分化し管理することとする。
(1)資産管理の適切性に関するリスク
① 信用リスク
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少又
は消失し、組合が損失を被るリスクをいう。
② 市場リスク
市場リスクとは、金利等の様々な市場のリスクファクターの変動により、資産の
価値が変動し、組合が損失を被るリスクをいい、金利の変動に伴い損失を被る金
利リスクや有価証券等の価格の変動に伴って資産価値が減少する価格変動リスク
等からなる。
③ 流動性リスク
流動性リスクとは、引受の減少に伴う共済掛金等収入の減少や巨大災害での資
金流出により資金繰りが悪化し、資金の確保のために通常よりも著しく低い価額
での取引を余儀なくされること等により、組合が損失を被る資金繰りリスクと、
市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利
な価格での取引を余儀なくされることにより、組合が損失を被る市場流動性リス
クをあわせたものをいう。
(2)業務の適切性に関するリスク
④ 共済引受リスク
共済引受リスクとは、経済情勢や共済事故の発生率等が共済掛金率設定時の予
測に反して変動することにより、組合が損失を被るリスクをいう。
⑤ 事務リスク
事務リスクとは、役職員が正確な事務を怠り、又は事故・不正等を起こすこと
により、組合が損失を被るリスクをいう。
⑥ システムリスク
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等のシステム
の不備等に伴い、組合員や組合が損失を被るリスクやコンピュータが不正に使用
されることにより組合員や組合が損失を被るリスクをいう。
4.リスク管理に関する理事会等の役割
理事会及び理事は、理事会の決定に基づき、法令遵守を念頭に置いた業務運営を行
うため、リスク管理に関する次の役割を担うこととする。
(1)理事会の役割
理事会はリスク管理の方針を制定するとともにリスク管理規則等の整備及びリス
ク管理体制の整備を行うことによって、組合のリスク管理体制の確立を図る。
また、リスク管理に関する状況について定期的な報告を受け、必要な対応を行う。
(2)理事の役割
理事は、組合の各種リスクの特性を理解し、リスク管理の重要性を認識した上で
理事会における意思決定及び理事の業務執行の監督に積極的に参加する。また、リ
スクの所在及びリスクの種類を把握した上で、各種リスクの測定・モニタリングの
手法を理解し、自らの責任において業務運営の健全性及び適切性を確保するよう努
める。
5.リスク管理の方法
組合のリスク管理は、次に掲げる(1)から(5)により行うこととする。
(1)リスク管理体制の整備
理事会は、リスク管理実施部署の明確化、複数部署にわたるリスクの一元的管理、
リスク管理部門による牽制機能の発揮等に留意し、有効なリスク管理が可能となる
組織を整備する。また、その機能を有効に発揮できるように、適切な要員配置と人
材育成を図る。
(2)リスク管理方針・規則の整備
理事会は、各種リスクを管理するために、組織的に承認され、かつ、具体的内容
を伴ったリスクの管理方針と方針の具現化のための管理規則を整備する。
(3)リスク管理の実施
組合のリスク管理は、リスクごとの管理方針・規則により、秩序をもって組織的、
継続的に実施する。
(4)リスク管理に関する情報伝達
理事会は、理事又は各種リスクの管理部門より、リスク管理に関する取組状況に
ついて定期的に報告を受ける。
(5)リスク管理に基づく業務運営と継続的改善
理事会は、報告されたリスクに関する情報に基づき業務の運営を行うとともに、
リスク管理態勢の整備・改善に活用する。
6.リスク管理に関する内部監査及び監査
(1)内部監査
理事会は、内部監査の重要性を認識した上で、他部門への牽制機能を有し、かつ、
他部門からの独立性をもった内部監査員によるリスク管理の状況、不正行為、規程
等の遵守状況に関する厳正かつ適切な内部監査を確保するとともに、その結果を踏
まえ、リスク管理態勢の改善を図る。
(2)監査
理事会は、健全かつ適切な業務運営を確保するため付与された広範な権限を適切
に行使した上で実施される監査を尊重し、その結果を踏まえ、リスク管理態勢の改
善を図る。
7.方針・規程の体系
リスク管理に関する方針・規程は、原則としてこの方針及びリスクごとの管理方
針・規則をもって構成する。
8.組織図
リスク管理の実施に関する組織機構、業務分掌、職務権限は職制規則によるものと
し、管理業務の流れは別紙組織図のとおりとする。
9.方針の改廃等
この方針は、必要に応じ、理事会の議を経て、適宜見直しを行う。