農業経営の安定を届ける農業共済

令和2年5月4週号

もっと充実した人生デザインを
愛知県愛西市 伊藤博雄さん

 愛西市森川町の伊藤博雄さん(57)は、設計事務所を経営しながら、自宅の前にある畑(約15㌃)でラピッドアイ系ブルーベリーを中心にラズベリー、ブラックベリー、オリーブ等を栽培している。
 「栽培5年目でようやく安定して収穫できるようになった。ゆくゆくは地域を代表する特産ブルーベリーにしたい」と伊藤さんは話す。


ブルーベリー畑で伊藤さん

 5年前に、設計事務所のお客さんからブルーベリーの苗をもらった後、偶然訪れた農家カフェでブルーベリーを栽培しているのを見かけたことをきっかけに栽培を始めた。稲作農家だった父から圃場を受け継ぎ、初年度は5本からはじめて、現在は150本近く栽培している。今後も規模を増やす予定だ。
 当初は規模の拡大に不安もあったそうだ。「栽培本数を5本から100本に増やすときは母にとても心配をかけてしまい、父にも自分の育てたブルーベリーを食べてもらうことはできなかったが、今は天国の父も安心できた頃かな」と今までを振り返る。

 設計事務所での繋がりから、県外の木材加工業者からバークチップ(ヒノキやスギの皮のチップ)をもらったり、ブルーベリー栽培者を紹介してもらったりしている。 
 また、生産者を中心とした全国組織である日本ブルーベリー協会の講習会に参加し、ブルーベリーの繋がりを広げるとともに、栽培技術の知識も深めている。「滋賀の協会理事の農場での剪定講習はとても勉強になった。接ぎ木の方法も学べたのは貴重な体験」と嬉しそうに話す。

 ブルーベリー栽培は教科書通りだけではうまくいかないことも多く、過去には50本枯らしてしまった失敗もあるとのこと。創意工夫と試行錯誤の積み重ねが大切で、「先輩農家みなそれぞれに、自分で考えた工夫が沢山あった。」と話す。伊藤さんも独自の工夫ができるようになってから、収量が安定してきたそうだ。


今年も道の駅で販売を予定しているブルーベリー

 今年も去年に引続き、市内の道の駅(立田ふれあいの里)で生ブルーベリーの販売をする予定だ。新たにラズベリーやブラックベリーも加えてミックスベリーとしての販売も計画している。
 設計士をしている傍ら、毎日朝5時と夕方5時に畑に行く生活を送っている伊藤さん。「設計士の僕は、『建築にデザインを加えると豊かになる、人生にデザインを加えると幸せになる』という言葉が好き。

 僕は、人生にブルーベリーを加えて、もっと充実した人生をデザインしていこうと思っている」と夢を語ってくれた。
 (寺西・井上)