農業経営の安定を届ける農業共済

令和元年6月4週号

シーズンに1万人訪れる観光農園
「感動」体験を提供
岡崎市 ブルーベリーファームおかざき 畔柳茂樹さん

 「味わう・学ぶ・楽しむ」をテーマとした、観光農園「ブルーベリーファームおかざき」を経営する畔柳茂樹さん(57)。2008年のオープン以来、延べ7万人が訪れているこの農園では、40品種1300本のブルーベリーを栽培している。


「農家と消費者の距離を近くしたいですね」と畔柳さん

「味わう・学ぶ・楽しむ」がテーマ

 農園には6月上旬の開園から8月下旬の閉園まで一万人ほどが訪れ、多い日は1日300人ほどが訪れるという。休日は予約がないと入れないほどだが、「7月下旬からの夏休みの時期は来客数が比較的少なく、狙い目です」と畔柳さんは話す。
 畔柳さんのおすすめの品種は「メンデイト」と「ラヒ」。農園を訪れた人へのアンケートで、いつも上位に入る品種という。メンデイトは甘くて柔らかいが、傷みやすく出荷に向かないため、農園内でしか食べられない。また、ラヒは絶妙な酸味により、甘さが引き立つ品種だ。どちらも夏休みシーズンの7月20日ごろから8月末まで楽しめるという。

養液栽培システムで生育環境を管理


液肥コントローラーで生育環境を安定的に管理

 畔柳さんは45歳の時、務めていた企業を辞めて、ブルーベリー農家として就農。生産性を高めるための検討を重ね、トマトをモデルにした養液栽培にたどり着いた。
 養液栽培システムでは、ブルーベリーの栽培に適したブレンド率の液肥を、人工培地(アクアフォーム)に供給する。また、液肥コントローラーが回数と時間設定による液肥を管理し、農作業はほぼ一人で行えるという。   
 「日本の土壌はブルーベリーの生育に向いていないので、原産国である米国の土壌環境に近づける必要があります」と畔柳さん。養液栽培システムでpHや肥料濃度を数値でチェックし、米国の生育環境を安定的に再現でき、おいしい果実をならすことができるという。

スイーツ作りや新メニュー開始

 本年度からの取り組みとして、1日オーナー体験やスイーツ作り体験を始めるほか、農園で取れたブルーベリーを使った新メニューの販売を行う。
 畔柳さんは「感動体験農園プロジェクト」として、物ではなく「体験」を売るという方針で農場を経営している。「農業は閉鎖的と思う人が多いのではないかと感じます。消費者は農家の苦労を知らないし、農家に消費者の需要も伝わりにくいということは大問題」と考え、体験型農園の方式を採った。「今後は体験を通じて、農家と消費者の距離を近くしたい」と話す。(飯沼)

▽電話=(080)-9728-6208
▽HP=「ブルーベリーファームおかざき」https://blueberryokazaki.com/