農業経営の安定を届ける農業共済

平成28年12月1週号

幼苗から育てるコチョウラン
-オリジナルの美しさ- 豊橋市 森田佳行さん


創業者である父・幹男さん㊧と佳行さん


 「他にないやり方を追求していきたい」そう力強く話すのは、豊橋市の「有限会社ハナモリ」の2代目、森田佳行さん(40)。森田さんは、洋ラン(鉢物)の作付面積全国1位を誇る愛知県の中でも主な生産地である豊橋市で、洋ランの一種であるコチョウランを生産している。


 コチョウランの生産方法として、発育した苗を海外から輸入し、花を咲かせる手法が主流となっている中、創業以来幼苗から栽培する方法をとり続けている。
 さらに、他のコチョウラン農家とは異なり、すべてオリジナルの品種を扱っている。定番のものに加えて、新たに交配して作ったものなど、毎年20種類以上の品種を栽培、販売している。


開花室に咲き誇るコチョウラン

「セントレアほのか」作り続けて10年

 その中でも長く作り続けているのが、「セントレアほのか」という品種だ。花の中心が白くまわりがピンクという、10年ほど前にはなかった色だ。中部国際空港開港の年にちなんでその名が付けられ、その後のピンク白リップの花色の先駆けとなった。

 「幼苗からその先を全部育てるということは、すべてに責任を持たなくてはいけない。自分が交配した苗の形質が弱くなる時もあるし、最後まで何が咲くかわからない難しさがある」と、施肥方法、光の強さなど一つ一つを管理する大変さをにじませた。

 佳行さんは仕事のやりがいについて、「家族で働けることと、生き物なので自分が手をかけただけ成果が出ることがうれしい」と笑顔を見せてくれた。(佐竹)