農業経営の安定を届ける農業共済

令和4年12月2週号

「フェイジョアを地元の特産品に」
西尾市 岡田拓也(おかだ たくや)さん、由美(ゆみ)さん

 拓也さんは塾講師をしていた頃、友人が経営するブルーベリー園を訪れた事が転機となり、就農の準備を開始した。借りた農地の開墾は重機を使用せず鍬やスコップで行った。「木が健康でなければ良い実はならない」との思いから土づくりを自然に近い環境で行い、根を張らせ、農薬を使用せず栽培している。


フェイジョアを手にする岡田拓也さん、由美さんご夫妻


 11月から12月はフェイジョアが旬を迎える。日本ではまだ馴染みの薄い果実だが、ニュージーランド等では盛んに栽培されている。甘味と酸味が絶妙なバランスで、カリウムやビタミンC等の栄養価も高い。生食もおいしいが乳製品やチョコレートとの相性が良く、他の果物にはない独特の甘い香りが飲食業界から注目を集める。卸先のジェラート屋やケーキ屋、レストランではソルベやムースケーキが人気商品となっている。国内でフェイジョアを栽培している農家は少ないため、店頭に並ぶことは少ないが同農園では300本以上を栽培しており、直売だけでなくホームページからも注文できる。「海外で食べた味が忘れられず国内で探してやっと販売している農園を見つけた、と足を運んでくれる事が嬉しいです。」と話す。


収穫直後のフェイジョア


 今後の目標は「カフェをオープンさせることが目標です。お客様との交流を通して自分たちも成長していきたい。」と由美さん。販売中の自家製ジャムのパイなど試作品作りに励んでいる。「フェイジョアは赤と白の花を咲かせる事から庭木需要も多く、苗木の販売にも力を入れていきたい。」と拓也さん。初めは3パーセントだった挿し木の成功率も試行錯誤を重ねた結果35パーセントほどに向上した。「就農して10年が経ち、農作業は生活の一部となりました。フェイジョアが西尾市の特産物になるのが私たちの夢です。」と笑顔で語った。