農業経営の安定を届ける農業共済

令和4年9月4週号

「半農半Xの成功事例に」
長久手市 可児市 ノリダガーデン代表
 岡村典幸(オカムラ ノリユキ)さん(42)

 音楽アーティスト「nobodyknows+」のメンバーで元プロレスラーの岡村典幸さん。長久手で10年間農業に携わった後、独立。2019年頃にノリダガーデンを立ち上げた。


農作業中の岡村さん


 長久手市と可児市で畑約38aを管理するノリダガーデン代表の岡村典幸さん(42)平日は外構施工の仕事をしながら、週末に農作業をするいわゆる半農半Xスタイルで営農中。
 畑は、ハーブを中心にサツマイモ、オカノリなどを通年で栽培。土壌消毒効果のあるニンニクを作の始めに植えたり、土壌に適した品目を選び、効率的な栽培を目指している。「平日に家で農作業の準備をしても、僕が実際に畑で作業するのは週に1回。栽培が好きだし、いくらでも世話をしたくなるが、手間を減らして、収益をあげるのが目標。手間をかけずに良いものが栽培できるようになりたい。」と話す。
 ノリダガーデンは農産物生産販売の他、加工商品の開発もしている。中でも、ディル(ハーブ)を加工したディルパスタが人気だ。「ディルを粉末にしてパスタ生地に練りこむので、収量が収穫時の見た目にあまり左右されず、保存ができるのもいい。香りが良いとお客様が喜んでくれる。」岡村さん知人紹介の製麺所が「一緒に何かやらないか」と声をかけてくれたのをきっかけに、互いにアイデアを出し合い、形にしたのがディルパスタだ。「僕が農業をすることがきっかけで、色んな人に会え、一緒に新しい事をするのが楽しい。」岡村さんは、兼業で農業に携わる中で、農家の技術や知恵は他業界でも活用できるものが多いと感じているという。「農家が農業の世界だけで留まるのは勿体ない。」と語る。


自分の畑で栽培されたハーブを練りこんだディルパスタ


 以前は、毎日圃場に出る時期もあったという岡村さん。兼業農家として携わる方が自分に向いていると感じ独立した。「大規模な専業農家ではなく、兼業で農業に携わりたい人も多い。約4反の農地の僕が、収入が安定確保できる仕組みを作り、半農半Xの一つの成功事例を作りたい。」
 ノリダガーデンは今後、体験農園を開園予定。収穫した野菜の販売の場としてマルシェの開催も考えている。「栽培と販売する機会を作れたら。」と話してくれた。(井上)