農業経営の安定を届ける農業共済

令和4年6月2週号

農福連携 ~これからの農業の形~
農事組合法人愛知津島ファーム代表理事の近藤利一(としかず)さん(52)

「まず、植物への愛情を育むことを心がけている。愛情が仕事の質や態度に繋がると良いものができてくる」と話すのは、農事組合法人愛知津島ファーム代表理事の近藤利一(としかず)さん(52)。津島市を拠点に水耕ハウス20㌃、露地野菜30㌃、レモン畑25㌃の農業の他、不動産、土木、建築などのグループ企業も手掛ける実業家だ。4年前に農福連携事業の部門を設立し、就労支援A型事業所も運営している。
 近藤さんはこの事業で、農業の楽しさを知り、農作業をすることが障害者の「働きがい」や「病状の改善」に繋がっていくのを感じている。
実際に食べたレモンの種を昨年12月にまき、今年の3月に発芽したときは、皆が感動したという。「自分で食べたレモンの種の芽は、可愛くてたまらない。愛着がわき、それが責任感になる。立派に育てるために、草むしりも逃げずに取組めるようになる。」一連の農作業を通して、精神障害に改善がみられた方もいたそうだ。「障害者は愛のために働く。本気で取り組めば、健常者より良いものができる。」と語る。
近藤さんは、グループ企業の土木や建築分野も活かし、他者には難しい農地の再生や新規就農者へ畑用の土販売も行っている。「ここで働いている子が自ら、農業でやりたいことを見つけて、いきいきと働く姿を見るのが嬉しいし、楽しみ。彼らの可能性を切り開いていきたい。」と笑顔で話してくれた。


サラダ菜を収穫する近藤さん