農業経営の安定を届ける農業共済

令和4年2月2週号

乳牛にバロック音楽
ストレス減って安定生産
田原市 伊藤立(いとうたつる)さん(69)

 「より良い牛乳(もの)を、より多く、より安く」と話すのは、田原市石神町で酪農をする伊藤立(いとうたつる)さん(69)。牛にバロック音楽を聞かせるという独自の方法で生乳を生産し、直営店のスイーツ&ジェラテリア「バロック」に生乳を直送している。
 東京でサラリーマンをしていたが、26歳の時に田原市へUターン就農。みんなと同じことをやっても経営が立ち行かないと考え、効率よく高品質な生乳を出荷できるか検討した結果、牛に優しく接し、ストレスを減らしてリラックスさせることが安定して良いものを作ることにつながると気づいた。衛生的な管理や餌の配合など基本的なことを全て行った上で、最後に行き着いたのがバロック音楽を聞かせることだった。バロック音楽とは中世のクラシック音楽。歌声が入ったものやアップテンポのものなどさまざまな音楽を試したが、滑らかなバロック音楽が牛にとって一番効果的だったという。
 今後は「牛を100頭ほど増やし、もっと多くの人にこだわりの詰まった生乳を使用したジェラートを食べていただきたい」と意欲的に話す。
 (畑中)


牛を世話する伊藤さん