農業経営の安定を届ける農業共済

令和3年10月2週号

色鮮やかな染色輪菊「カラーリングマム」
ハレの日の需要拡大を狙う
田原市越戸町 林正彦(はやしまさひこ)さん

 JA愛知みなみ輪菊部会の林正彦さん(47)は、田原市越戸町で輪菊56㌃を栽培。新型コロナウイルスの影響で輪菊の需要が下がるなか、令和3年からの取り組みとして、染色液を吸わせて色付けした輪菊を「カラーリングマム」として生産、新しい需要創出に努めている。
 通常、つぼみの状態で収穫・出荷する輪菊を、満開まで咲かせて収穫する。茎を切り、染色液を切り口から吸わせることで、鮮やかな色を付ける。


「『ハレの日』をカラーリングマムで華やかに」と林さん夫妻




 「『菊は葬儀用の花』とイメージする人も多いが、カラーリングマムは成人式の装飾やイベントへの提供など、『ハレの日』を彩る花として楽しんでもらいたい」と林さん。
 林さんは地域の小学校で輪菊の染色体験も行っている。「染色液に漬けて30分ほどで色が付き始める。手軽で、授業の時間内に完結できる」。体験は学生たちから好評で、夏休みの自由研究の課題にしたいという声も多い。
 菊の品種や染色液の濃さ、浸ける時間によって、色の付き方は変わってくる。妻のさとみさん(46)は、「全く同じ色にはならない、オンリーワンの色に仕上がります」と話す。


染色液に浸けて30分ほどで色が付き、一か月ほど楽しめるという



 今後は販路を拡大したいと林さん。「カラーリングマムを多くの人に知ってもらい、輪菊の新しい需要として広めたい」と意欲的だ。
 林さんのカラーリングマムは、道の駅あかばねロコステーションや、さとみさんの会員制交流サイト(SNS)を通して受注販売している。
 (鈴木、小林)