農業経営の安定を届ける農業共済

令和3年2月2週号

岡崎市法性寺町の近藤幸男さん(84)と妻の和子さん(79)は、約40㌃の畑で「法性寺(ほっしょうじ)ネギ」を栽培している。

 法性寺ネギは、その名のとおり岡崎市法性寺町周辺で主に作付けされているネギで、県が選定する愛知の伝統野菜のひとつ。
 「とにかく甘くてやわらかいのが特徴。特に冬は甘みが強くなるので、葉から出た蜜のせいで、畑を歩くとズボンがベタベタになってしまうほどだ」と、幸男さんは話す。
 岡崎市では毎年学校給食で使用され、旬の食材として生徒へ紹介するなど積極的に食育が行われている。「畑で作業していると地元の学生が挨拶してくれるので、地域の若い世代にも知ってもらえていると感じる」と和子さん。


法性寺ネギの畑で。近藤幸男さん(左)と和子さん(右)


自慢の法性寺ネギを手に、幸男さん

 法性寺ネギは、現在岡崎市内のJA一部産直店舗のほか、一部地元スーパーマーケットにて販売されている。品種改良されたネギと比べ栽培が難しく、高齢化の影響もあり、現在法性寺地区の生産者は減少している。「岡崎市唯一の伝統野菜なので、絶やしたくないという一心でこれからも作っていく」と幸男さんは意欲的だ。(飯沼)