農業経営の安定を届ける農業共済

令和2年10月2週号

『バッグ栽培でミニトマトを周年栽培』
刈谷市 川上充士さん


自慢のミニトマトを手に川上充士さん

 刈谷市の川上充士さん(38)は袋で育てる「バッグ栽培」でミニトマトを周年栽培している。現在、約22㌃のビニールハウスの中に2000袋のバッグがあり、年間約20㌧をスーパーや産直へ出荷している。
 バッグ栽培とは、1株1袋で育てる栽培方法だ。バッグごとに潅水用の管が刺さっており、通常の栽培方法よりも細かな水管理ができることから、美味しいトマト作りに適しているそうだ。
 川上さんが就農したのは6年前のこと。それまでは、非農家で肥料販売会社に勤めていた。会社が農業法人を立ち上げた際、農業をしたいと考えていたこともあり、農業の勉強を本格的に始めた。バッグ栽培に精通した方と知り合い、教えてもらうなかで、今の栽培方法を確立したそうだ。


栽培用バッグと潅水装置

 品種についても、さまざまな品種を試してきたが、現在栽培している品種の「ラブリーさくら」が水を絞りやすく、バッグ栽培に一番適していたと話す。
 この栽培方法で、もっとも気をつかうのがやはり水管理とのこと。その日の天候に合わせた潅水がミニトマトの美味しさに繋がるため、気を付けているそうだ。
 今後の目標について川上さんは、「非農家の人が農業を始めるのは、ハードルが高いと思う。若い人が新たに始めにくいのも事実。もっとわかりやすい仕組みを作ることができれば、農業を始めやすいのではないか。そのために、バッグ栽培を若い人に伝えることで農業の裾野を広げていきたい」と意欲的に話す。(兼子)