農業経営の安定を届ける農業共済

令和2年6月2週号

仲間と共にニンニク産地化へ
土壌消毒剤と化肥使わず

一宮市 山中政勝さん


作業場で出荷前のニンニクが入ったコンテナを持つ山中さん。生(フレッシュ)出荷用で皮むきなど調製済み

「一宮をニンニクの一大産地にしたい」と話す、一宮市でニンニク「嘉定」を栽培している山中政勝さん(63)。

 退職後にニンニク栽培を始め、今期で4作目だという。周りの農家にも声を掛け、現在は10人程のグループで栽培に取り組む。

 山中さんが作るニンニクは、農薬による土壌消毒を行わず、化学肥料を使わずに育てることが特徴だ。消毒の作業後に自分の体調が優れないことがあり、食物を育てる畑に農薬を使用することに違和感を覚えたという。それからは、できるだけ自然のものを提供したいと考え、土壌消毒をやめ、堆肥を利用して栽培している。


よく乾くように土をしっかり払う山中さん。
収穫後、天日乾燥を半日ほど行う

 山中さんの努力は栽培方法の工夫だけではない。販売経路の確保は、長年の営業職で培ったスキルを生かし、スーパーマーケットなどに直接足を運びながら進めてきた。営業先では、そんな農家は初めてだと驚かれたという。その結果、大手スーパーマーケットとの契約に成功し、現在は出荷量を拡大中だ。
 また、通販を行っており、「消費者の声が直接聞けるいい機会だ」と話す。ふるさと納税の返礼品等にも出品していく予定だ。

 「これからも様々な新しいことにチャレンジしていきたいね。その結果をもとに試行錯誤をする。それが楽しい。」と笑顔で話してくれた。(横江)