農業経営の安定を届ける農業共済

令和2年1月1週号(新年号)

ハウスキュウリ 環境や栽培情報をデータ化
JA西三河きゅうり部会


あぐりログBOXでハウス内の情報を可視化。

 あぐりログBOXはハウス内に設置し、温度と湿度、二酸化炭素(CO2)濃度を自動で測定。データはインターネット上に送信・保存され、変化のグラフをスマートフォンなどで確認できる。
 Akisaiは、栽培計画や施肥、薬剤防除の記録をクラウド上に保存し、利用者はいつでも閲覧が可能だ。

 JA西三河(西三河農業協同組合)きゅうり部会(部会員40人、栽培面積計11ヘクタール)では、同JAと連携し、農業用ICTツールの活用を目指し、2015年3月に、環境測定器「あぐりログBOX」と、農業生産管理システム「Akisai(秋彩)」を利用したキュウリ栽培に取り組んでいる。



記録を共有 増収に手応え


糟谷部会長は「栽培計画をデータ化して、部会全体で共有できます」と話す

 「アナログで管理していた情報をデータ化して共有し、部会全体の技術向上を目指して導入を考えました」と話すのは、糟谷英幸部会長(63)。収量の上がった事例等が共有化されることで、自身の栽培手法を変えるきっかけにもなるという。

 部会員の下村堅二さん(52)がシステムの開発と改良に携わった。「比較したい環境データをグラフで可視化できるため、自分の栽培方法を見直すきっかけになります。年1回の栽培でも、部会員の数だけデータを蓄積・共有できるので、分析に活用できます」と説明する。





 あぐりログBOXの機器導入費用は1台8万円ほどで、別途サーバ利用料が年間2万5千円。Akisaiのサービス利用料は1万5千円ほどだ。2人は「新しい機器を導入するには金銭がかかり、操作方法を勉強するなど苦労が多かったです。一方で、収量がここ2、3年で10%ほど増えており、効果が実感できています」と話す。
 今後も関係機関と連携しながら、環境制御の最適化や根域のモニタリングを行っていく。 (原田・鈴木)