農業経営の安定を届ける農業共済

令和元年9月4週号

柿「次郎」
規格外で加工品 農家の収益増に
豊橋市 ㈱石巻柿工房 原田愛子代表

 「石巻町の名産品としての柿『次郎』を、多くの人に届けたい」と話すのは、豊橋市石巻町にある「株式会社石巻柿工房」の原田愛子代表(68)。
 「石巻次郎柿」のブランド化に貢献することを理念に、セミドライ柿の「柿あん」や柿ペーストなどを販売しており、別経営の「原田農園」で次郎を80㌃栽培している。


柿あんを手に原田代表。「次郎で地域農業に貢献したい」

 会社設立のきっかけは、原田代表が地域の柿農家の収益低下や減少に危機感を覚えたため。同じ思いを持った地域の柿農家4戸で、2012年に設立した。
 会社の中心商品である柿あんは、15年度の「優良ふるさと食品中央コンクール」の新製品開発部門で、農林水産大臣賞を受賞した。柿あんの製造には、それまで規格外として廃棄されていた柿を中心に加工する。地域の農家から規格外価格ではなく、通常の果実と同じ価格で購入することで、農家の収益向上や産地の継続につなげている。

 今後の目標について「次郎柿を使った、新たな商品の開発をしていきたいです」と話す原田代表。「柿あんが地域の名産品として認知されることで、石巻次郎柿の知名度向上や地域の農業の発展に貢献できればと考えています」と話す。(松浦)
▽HP「次郎柿の石巻柿工房」=https://kakikoubou.com/