農業経営の安定を届ける農業共済

平成30年11月2週号

野菜作り体験を受け入れ 農ある生活を提供
「おらの農園」・一宮市 園主 山中万三三さん、スタッフ 磯村覚さん
農園利用者 宇佐美勝巳さん、和子さん夫妻 

 「体験を楽しんでもらいたいため、さまざまなものを作っています。レタスやハクサイなどの身近なものから、茎の色が赤や黄色で見た目が華やかなスイスチャードなども用意しています」と話すのは、一宮市にある「おらの農園」園主の山中万三三さん(61)。消費者の野菜作り体験を受け入れ、栽培から食べ方までサポートしている。


苗を植えるため、土を起こす利用者

 おらの農園は、2016年に開いた野菜作りの体験農園。農地面積は約300平方㍍で、現在5個人・家族を受け入れている。
 作付ける野菜は約40種類を用意。要望があれば、その他の野菜についても対応する。利用者はお互い協力しながら野菜を栽培しているという。
 「畑の向かいにあるレストラン『洋風ダイニング スプラウト』と協力しており、駐車場やトイレを一緒に使っています。農園で育てた野菜を持ち込むと、料理を作ってもえます」と山中さんは話す。


種から育てた苗を定植する宇佐美さん夫妻

仲間づくりの場にも

 宇佐美勝巳さん(61)、和子さん(57)夫妻は利用2年目。「自宅で野菜を栽培していましたが、うまくできず技術などを教えてもらえたらと思い利用しています。畝の高さや風通しの大切さなど、さまざまなコツを学べて、自宅でも以前より野菜がうまく育つようになりました」と和子さんは話す。
 二人は「農園では野菜のことを学ぶだけでなく、同じことに取り組む仲間をつくれました。野菜は種から育てているので、自分の子供みたいでかわいい」と口をそろえる。


皆で協力して作業している

 農園スタッフの磯村覚さん(49)は「時には野菜がきちんと育たないこともありますが、失敗することも大事な経験です。失敗を糧に利用者が成長していく様子を見ることが楽しみ」と話す。
 磯村さんは果物や野菜を使ったジャムを製造する「株式会社エスフーズ(一宮市)」の代表を務める。農家とのつながりや自らの家庭菜園の経験を生かし、野菜の栽培や調理についてアドバイスを行う。希望すれば、野菜をジャムに加工している。


 磯村さんは「試行錯誤を重ね、うまくできたときに喜んでもらえると、とてもうれしい」と話す。(有馬)