農業経営の安定を届ける農業共済

平成30年4月2週号

「地域農業と共に」自社産卵でスイーツ
常滑市 ココテラス 市田旭宏さん


鶏の健康状態を観察する市田さん

 「お店をオープンしてから、お客さまの声を直接聞かせていただくことができ、ご要望にお応えできるようになりました」と話すのは、常滑市にあるココテラスのマネージャー・市田旭宏(いちた・あきひろ)さん(30)。
 父親が経営する養鶏場の卵を販売する他、その卵を使ったプリンやシュークリームなどのスイーツを提供する。飼料には地元産飼料米を使用。地域農業と協力し、共に歩く店舗を運営する。



ココテラスの外観

 市田さんは獣医師の資格を持ち、以前は静岡県の動物病院に勤務していた。デイリーファーム代表取締役で父の市田真新(ますみ)さん(63)から家業に就いてほしいとの要望があった。思慮の末、動物病院を退職。曽祖父から続く養鶏業の道に入り、かねて真新さんが思い描いていた店舗のオープンを任された。


売れ筋はプリン 濃厚で口溶け良く

店内には卵を使ったスイーツが並ぶ

ココテラスはデイリーファームで生産した卵のおいしさを、たくさんの人に知ってもらいたいとの思いから3年前に開店。店内には新鮮な卵が並ぶ他、より幅広い人が口にできるように、さまざまなスイーツを販売している。
 中でも一番の売れ筋商品は「たまごいっぱいプリン」。卵を最大限に生かしているので、濃厚でコクがあり口溶けも良く、おいしいと評判だ。
 デイリーファームでは鶏に与える「水」と「餌」を重視。常滑市は水源に困らない土地柄で、鶏には井戸水を与えている。また、常滑市は温暖な気候のため、雪が降らないことも鶏にとって好都合だ。

地元の飼料用米を給与

 常滑市と東浦町の契約農家が栽培する飼料用水稲品種「モミロマン」を仕入れ、餌に混ぜて与えている。こうして生産された「米たまご『明日』」は、地元農家に対するエールが込められ、店名にも地元「ココ」の農家を「照らす」という思いが詰まっている。
 市田さんは「私たちの卵が発端となって地域の農業を活性化していきたい」と話している。(本多)
▽ココテラス=℡:0569(36)7060