農業経営の安定を届ける農業共済

平成30年1月1週号

地場産米で日本酒造り
酒米で広がる輪


 「山田錦を越える、地元で愛されるものを作りたい」と話す、常滑市の土居佐吉さん(65)。
 土居さんは、約6㌶で愛知産酒造好適米「若水」を中心に酒米を栽培している。同じ常滑市に酒蔵をかまえる澤田酒造株式会社の契約農家であり、米作り一筋約40年のベテランだ。


栽培する若水の前で土居さん


 澤田酒造の看板商品、清酒「白老」シリーズの中には、ラベルに土居さんの名前が記載してあるものもある。澤田酒造の澤田研一会長は、「米の生産者の名前を記載しているものは珍しい。生産者が分かり、安心安全な地元の米で地元のお酒を造っているアピールにもなる」と話す。


清酒「白老」の商品シリーズ

 澤田会長は、以前は酒米の確保に苦労したという。「品質を担保できる農家と直接契約し買付けすることで農家にどんな米が欲しいか直接伝えられる。農家といい関係を構築することもいい酒造りに欠かせない」と澤田会長。「品質を高めると、反収は減るが、その分良い米なら評価してくれる。質を正当に評価されることは、より良い米を作る原動力」と土居さんは話す。

 澤田酒造はこれまでに、蔵開きのほか、酒米栽培体験イベントを開催している。今後も、土居さん協力のもと、田植えや収穫体験ができるイベントを実施予定。「地元の農家と酒蔵で、いい酒を造って地元を盛り上げたい」と二人は話してくれた。
(井上)