農業経営の安定を届ける農業共済

平成29年7月4週号

田んぼアートや特産品作り
米をもっと身近に 半田市おいしい村


 「『おいしいね』で繋がる村をイメージしてください」と語るのは、「おいしい村」の村長の末松園子(すえまつそのこ)さん(30)。
 末松さんは、2014年に半田市で、株式会社おいしい村を立ち上げた。働く母親などの女性を中心とした10名程度で、田んぼアートをはじめとした食育体験型農業や農産物・加工品などの直売を実施している。


「出産祝い米」を手に末松さん

 米農家に生まれた末松さんは、「農業が生活の一部であり、家族や地域が農業で繋がってきた」と話してくれた。  
一旦は、農業から離れ、保育士として働き始めたが、「農業をもっと身近にし、家族や地域を繋げていきたい」との思いが、「おいしい村」の立ち上げの原動力となった。
 取り組みの一つである田んぼアートは、今年は地域伝統の「山車祭り」をテーマに、食用の色米で作られており、参加者みんなで植えた米が食卓に上がることになる。
 「成長を見守り育てたことが良い思い出となり、収穫の喜びも一層大きくなる。そんな楽しい体験が、食べ物を一段とおいしくし、家族の絆を深める。近頃は、野菜やお米を好まない子供が増えてきているが、絵のご飯(田んぼアートの米)なら喜んで食べるので参加者からの評判も良い」と末松さんは語る。


田んぼアートの田植えイベントの様子


 また、地元の特産品を作りたいとの思いから、商品企画にも力を注いでいる。「おいしい村」が、こだわりを持ち一貫生産した米を、「稲穂のしずく」として扱っているが、その販売方法に大きな工夫がある。通常販売の袋以外に、「出産の内祝い用」として、赤ちゃんが産まれた時の体重と同じ重量の米で、顔写真をパッケージにした「出産祝い米」は、県内外から広く好評を得ており、利用者の間で、実際に赤ちゃんを抱く様に丁寧に扱われているという。


ふところ餅

 その他、「稲穂のしずく」の米粉で作られた知多半島名物の「ふところ餅」など、併設のカフェスペースでも楽しむことができる。
 今後は、鶏の卵採り体験など、食育体験の分野を拡げる予定であり、「おいしいね」での繋がりを更に拡げていく。
 ▽問い合わせ=株式会社おいしい村(℡0569・58・3800)(大竹)