農業経営の安定を届ける農業共済

平成28年12月2週号

農と食への関心育む
-5年生児童を対象に米作り体験-弥富市立十四山東部小学校


脱穀について説明する農協職員(脱穀機貸出協力:NOSAI)


 弥富市にある市立十四山東部小学校では、JAあいち海部の営農部販売企画課と協力し、農業体験を通じた食育に、長年にわたって取り組んでいる。5年生になった児童達を対象で、田植えから稲刈り、そして脱穀・もみすりまでを一通り体験している。


 十四山東部小学校で行われている食育の歴史は長く、15年ほどは続いているという。学校のある十四山地区は稲作が盛んな地域だが、近年は農作業のオペレーター委託や農家数の減少などにより、実際に農作業をした経験があるという児童は少なくなっている。地元の主要な産業であるのに、全くそれに触れないのはもったいないとの思いから、学校側が農協に依頼する形で農業体験の食育が始まった。
この農業体験は「総合的な学習の時間」の授業の一環として行われる。5年生になった児童達は、まずお米作りについて自分達で調べ、それをレポートや新聞の形でまとめることから始める。そしてその次に田植えと稲刈り、脱穀・もみすりを実際に自分達の手で行うことで、米作りへの理解を深めていくという流れだ。


脱穀する児童

多くの人と交流深めて

 今年の10月24日には脱穀・もみすり体験が学校内の校庭で行われた。農協職員達が脱穀方法を説明・実演した後、児童達はフェンスに干された稲を各々手に取り、順番に並んで脱穀していく。児童達は皆和気あいあいとしていて、初めての体験にびっくりする様子を見せる子もいた。今回の脱穀で収穫された米は家庭科の授業で調理する予定。炊いた米をおにぎりにし、農協職員へ感謝を示すお礼の会の場で振る舞われる。また学校では他にサツマイモを育てており、収穫後に親子で参加できる焼いも大会も行っている。

 食育について、「ただ栄養面に関して学ぶだけにはしたくない」と言う飯尾一利校長。「机で学ぶだけでなく、多くの人と触れ合いながら食について学んでいく事が重要」と考えている。「児童達には食への意識を高く持ってほしい。また、この農業体験を通じて自分たちのいる地元、ひいては社会そのものに目を向けてくれたら」と話してくれた。(徳山)