農業経営の安定を届ける農業共済

平成27年10月1週号

障がい者によるワイナリーが本格稼動 学びと活躍の場に


ショップで販売されているワインを手にするスタッフ


 小牧市野口の小高い丘の上に建つ小牧ワイナリー(社会福祉法人AJU自立の家)は、障がい者の手によるブドウの栽培とワインの醸造を行っている。「これから本格的なワインの仕込みを行い、ワイナリーらしくなっていくので、観光客の誘致や宣伝を考えています」とAJU自立の家専務理事の山田昭義さん(73)は話す。


ワイナリーの畑で育つワイン用のブドウ

 岐阜県の多治見修道院で障がい者によるワイン造りから始まり、今年4月に小牧市から21㌃の土地を無償で借り、小牧ワイナリーが開設された。ブドウ栽培を通して農作業に必要な技術を身に付けたり、ワイナリーに設けられたカフェで接客を中心に掃除等も行うことで社会のルールやマナーを学んだりしている。
 また、小牧ワイナリーで栽培されたブドウによる醸造のほか、世界各地の修道院から直接仕入れたワインやオーストラリアの契約圃場で栽培されたブドウのワイン、多治見修道院のワインを販売している。現在、三英傑の一人である織田信長にちなんだワインの生産を計画しており、将来的にはワイナリーで生産されたワイン、世界の修道院ワインの3つを柱として経営していく予定だ。「月に1本、お祝いの日に小牧ワイナリーのワインを飲んでいただければ嬉しいです」と山田さんは話す。


ショップに並ぶ世界の修道院ワインなど

 1日の来客数は20~30人ほどで、小牧市およびその近隣から訪れる人が多く、市外からはまだ少ない。
 今後はブドウ畑を拡大し、ブドウの木のオーナーシステム「ワインの樹の会」の会員は現在800人ほどだが、3千人にしていきたいという。
 10年後には10㌶のブドウ畑で年間20万本のワインの生産を目標としており、「将来は、障がい者が自分で生活できるほどの利益を出していきたい」と山田さん。
 11月3日には、AJU自立の家ワインフェスタ実行委員会(小牧ワイナリー)主催で、多治見修道院にて「多治見修道院ワインフェスタ」が開催される予定だ。


右:ショップ・カフェ、左:醸造所(小牧ワイナリー写真提供)

▽問い合わせ=小牧ワイナリー(tel0568・79・3001、小牧市大字野口字大洞2325番地2)
▽ホームページ=http://www.aju-cil.com/work/winery.html(有馬)