令和7年6月2週号
地域の風味と伝統、個性豊かなチーズ文化
豊田市若草町で、市内初のチーズ工房「Faber(ファーベル)」が、地元住民の注目を集めている。
工房を営むのは、チーズ職人の安田翔吾さん(29)。
地元の酪農家から仕入れた牛乳を使用し、4種類のナチュラルチーズを製造・販売している。「使用しているのは、生草を食べて育った牛のミルクで、熟成によって風味に個性が出やすい」とのこと。香り豊かな後味が魅力となり、地元のレストランでの取り扱いも始まっている。
日々変化する気温や湿度、ミルクの状態に応じて、製造過程で細やかな調整を重ねながら、安田さんは「理想の味」を追求している。今後は熟成系などの商品の種類を増やし、ラインナップの充実を図りたいと意欲的に話す。
安田さんがチーズ作りに関心を持ったのは、中学生の頃にテレビで放送されていた番組がきっかけ。広い牧草地での放牧風景に魅力を感じ、酪農を学ぶために北海道の大学に進学した。さらに、イタリアやスイスに留学、帰国後は北海道のチーズ工房で修行して、伝統的なチーズ製法を学んだ。「風土と作り手によって風味が変化するチーズは面白い」と安田さんは話す。
店頭に並ぶ4種類のナチュラルチーズ
今後はチーズの製造・販売にとどまらず、小規模酪農の実現も視野に入れている。ヨーロッパのような放牧スタイルを地域でも展開していき、6次産業に繋げていく方針だ。
地元の風土と酪農文化の組み合わせにより、新たな食づくりの場として動き出している。

