農業経営の安定を届ける農業共済

令和7年5月4週号

若夫婦、いちご農家独立への道のり


日進市で「いちご農園リッケファーム」を営む北村建斗(きたむらけんと)さん(31)と妻の里奈(りな)さん(31)は、2024年の12月から直売をスタートさせた。「かおり野」と「紅ほっぺ」の2品種を栽培している。


「量より質」糖度の高いイチゴを完熟に近い状態で販売している


建斗さんは10年間南知多町の農園でイチゴの栽培を学び、結婚を機に独立を決意。2023年春から農地探しを始めたが、道のりは平坦ではなかった。
独立には、まず農地の確保が大きな壁だった。市町村が運営する「農地バンク」を活用するため、いくつか役場を回ったが、希望に合う農地はなかなか見つからなかったという。


転機となったのは、日進市の農政課への相談だった。親身なサポートにより農地の候補が見つかり、地主との交渉が実現。「見ず知らずの相手に土地を貸すのは、地主の方にとっては抵抗があることと考え、直接お会いし、お話ししたことで、ご快諾いただけました」と建斗さんは振り返る。
ビニールハウス12㌃を新設し、2024年12月に直売を開始。集客面では条件に恵まれた。農園の道向かいには大手の喫茶店があり、来店客が農園に立ち寄る機会が多かった。「この喫茶店の店長のご厚意で、店内の設備を一部使用させていただいたり、お店のインスタグラムでご紹介いただいたりしたこともありました。イチゴに対しても高い評価をいただき、営農の励みになっています」と建斗さん。


里奈さんが描いた看板の前で撮影


人の縁に恵まれながら、現在は夫婦二人でイチゴ栽培に専念している。「今はまだ大量生産は難しいですが、農薬の使用を最小限に抑え、甘くて雑味のないイチゴ作りに力を注いでいます。」
 販売先は直売に加え、近くの「日進園芸センター」や「わくわく広場」でも展開。将来的には企業向けの大量出荷も視野に入れ、安定した供給が行えるよう今は技術を磨くことに取り組んでいる。
 「家族と一緒に働ける今が一番楽しい」と話す建斗さん。今後は「よつぼし」など新しい品種も導入し、着実に歩みを進めていきたいと語る。