農業経営の安定を届ける農業共済

平成31年2月2週号

自然開花のシクラメン 長い時間楽しんで
設楽町 村松 憲治さん

 購買者に長く楽しんでもらえるようなシクラメンを栽培したい―。設楽町津具地区の村松憲治さん(51)は、父の勝彦さん(78)と母の澄子さん(76)、パート3人と共にハウス約43㌃でシクラメンを栽培している。


シクラメンは愛知豊明花き地方卸売市場に出荷

 ハウスの中には、赤やピンクなど色鮮やかなシクラメンが並ぶ。村松さんの信念は、植物ホルモン剤を使用しない「自然開花」を行うことだ。この栽培方法は、ホルモン剤を使用して開花調整させるよりも、労力と手間が必要になる。しかし、花にストレスがかからない分、長持ちするといわれている。

 このような信念を持って栽培されたシクラメンは、愛知豊明花き地方卸売市場に出荷され、各地のホームセンターや花屋に卸されている。消費者から「すごく長持ちしたよ。今年も頑張って育ててね」という言葉をもらうこともある。消費者からもらう言葉は、シクラメン栽培の心の支えになっている。


「健康に気を使い、長く栽培したい」と話す村松さん

 一度は地元を離れ、就職していた村松さん。しかし、次第に地元へ貢献したいとの思いが募り、両親が栽培しているシクラメンに興味を持ち始めたという。25歳の時に仕事を辞め、家業を継ぐことを決意した。
 当初は肥培管理がうまくいかず、花の大きさや開花時期に影響が出てしまうことがあった。肥培管理の失敗は自分の責任とし、両親や周囲の人と協力しながら試行錯誤を重ねた。その結果、品質のばらつきが少ない安定栽培に成功した。

 自分が栽培したシクラメンが、玄関に飾られているとうれしいという村松さんは「シクラメンは人間と一緒で、暗い部屋では駄目。光が差し込む部屋に置き、肥料切れに気を付ければ長持ちする」と話す。
 今後について「自分の健康にも気を使いながら、シクラメン栽培を長く続けていきたい。そして栽培が難しいが、新たな品種にも積極的に挑戦していきたい。今は珍しい品種が人気なので」とほほ笑む。(榎本)