農業経営の安定を届ける農業共済

平成30年6月4週号

農機具を自作・改良 農作業を効率化
豊橋市 柴田 隆夫さん


 豊橋市天伯町でキャベツを7.2㌶栽培している柴田隆夫さん(59)は農機具を自作・改良し、農作業の効率化を図っている。


修理したトラクターの前で笑顔の柴田さん

赤シソ収穫期、冷蔵庫、散水タイマーなど
経費削減や休日の確保に

 「人が作ったものだから自分でも作れるのではないか」。農機具を作るようになったのは25年前。初めての発明は、当時栽培していた赤シソの収穫機だったそうだ。夏場の過酷な中で手作業での収穫を行っており、どうにか楽にしたいと思ったのがきっかけだ。試行錯誤し、茶刈機を応用した赤シソ収穫機を完成させた。「この発明が最初の大きなハードルで、それを超えたことが自分の自信に繋がった」と柴田さんは話す。


散水機タイマーの制御部分

 現在栽培しているキャベツの苗は、暑い夏場では発芽率が落ちてしまう。低温の状態で苗を植えたいと考えた柴田さんは、自ら冷蔵庫の製作に取りかかった。2週間かけて製作した冷蔵庫によって発芽率が85%から97%に向上した。製作費は80万円と購入する場合にくらべて5分の1の費用だ。
 さらに、夏場の苗への水やりに1日4~6時間かけていたが、散水機にタイマー機能を付け自動で行うよう改良した。人の手間を省き、日曜完全休業を可能にしている。


農機具を開発する作業場

 また、トラクターやトラックはすべて中古だという柴田さん。720万円のトラクターを27万円で購入。フロントカバーがなかったが、ブラウン管テレビと廃品で自作し約680万円の経費削減に成功した。
 農機具の修理を業者に依頼する場合2~3日かかるが、自ら修理を行うことで30分~1時間ででき、費用は約半額で済むという。壊れやすい部品をあらかじめ確保しておき、時間のロスを減らす工夫をしている。「部品のストックを持っておくのは誰にでもできる。自分で修理できないのであれば業者の修理を見て勉強することがおすすめ」と話す。

 今後の目標について、「キャベツの収穫作業の効率をもっと上げたい。収穫機はあるが使いづらい部分もあるため、もうひと工夫したい」と語ってくれた。
 今は様々な情報が簡単に手に入る時代。客観的なデータで戦略を練り農業経営に活かすことができると考えている。(麻野間)