農業経営の安定を届ける農業共済

平成29年6月4週号

コマツナ栽培30年
手をかけただけ成果に あま市


 あま市の甚目寺地区では、コマツナなど野菜の特産品が多く、栽培に力を入れている農家も多い。
 加藤(かとう)清子(きよこ)さん(72)はコマツナを栽培して約30年。化学肥料を使わず育てた自慢のコマツナを、地元の朝市に出荷している。


畑で作業をする加藤さん

 加藤さんは、できるだけ農薬を使わない栽培の工夫として、コマツナを網状のシートで覆っている。こうすることで、チョウの成虫が葉に卵を産み付けるのを防ぎ、チョウの幼虫による葉の食害を減らすことができる。散布する殺虫剤の量も減らすことができるため、殺虫剤を散布するための労力と殺虫剤にかかる費用を減らすことができ、一石二鳥だという。「虫も生きている。殺虫剤で一方的に全滅させるのは何かが違うと思う。野菜は手をかけただけ、いいものができるという形で応えてくれることが嬉しい」と加藤さん。


網状のシートをコマツナに掛け防除している

 今後の目標は、朝市に出荷する野菜の種類を増やすことだ。出店する朝市は隔週で行われているため、成長速度が速い野菜だと隔週の出荷に向いていない。そのような条件をクリアすることが必要だ。「何か1つ、自分らしい野菜を出荷できるといい」と加藤さんは話してくれた。(石黒)