農業経営の安定を届ける農業共済

平成29年5月2週号

酪農家が合同会社 6次化や食育に力
「二人の力あってこそ」


 西尾市でそれぞれ牧場を経営する小笠原正秀さん(61)と北村克己さん(40)は、2009年に6次産業の認定を受け、合同会社酪(らく)を設立した。酪では乳製品を製造販売している他、牧場見学やチーズ作り体験も提供していて好評だ。


牛舎で北村さん㊧と小笠原さん


 酪は西尾市に道の駅「にしお岡ノ山」ができる際、新しく商品を出せないかと考えたところから始まった。小笠原さんは「二人で協力して酪をつくりあげた。とても一人ではできなかった」と振り返る。
 「牛乳本来のおいしさを知ってもらいたい。地元だからこそ味わえる新鮮な乳製品を届けたい」との思いから、アイスクリームやプリンなど様々な乳製品を製造。製品は地元の道の駅や直売所で販売されるだけでなく、地域の飲食店にも卸している。


チーズ作り体験

 二人がさらに力を入れて取り組むのが、牧場見学とチーズ作り体験。二人の牧場は「酪農教育ファーム」の認証を受けた認証牧場だ。「生きた教材にふれて、酪農について知ってもらいたい。全国的に酪農家が減少する一方で、酪農に興味を持つ人も少しずつ増えていると感じる」と北村さん。「興味を持ってくれた人達の受け皿となる仕組みを作っていきたい。酪農を『価値があり、感謝され、感動させる』魅力あるものにしていきたい」と話す。

 小笠原さんは「牧場経営との両立はとても大変だが、体験してくれた方からの声が一番の喜び。体験から食と命の大切さを実感してもらえたら嬉しい」と、熱く話してくれた。(後)