農業経営の安定を届ける農業共済

平成29年2月4週号

豊田市初のブランド牛「ゆたか牛」
-地域を盛り上げたい- 谷澤晃美さん


ショーケースの前でブロック肉を手に谷澤さん

 愛知県豊田市桝塚西町で黒毛和牛「ゆたか牛(ゆたかうし)」を豊田市初のブランド牛として商品化を手掛けるのは、谷澤牧場の谷澤晃美さん(44)。昨年12月に牛舎の隣に直販所をオープンさせた。

氷温熟成で柔らかく

 「ゆたか牛」は、全て出産を経験した母牛である経産牛で、氷温熟成と呼ばれる方法で熟成させることで、肉本来のうま味や柔らかさを引き出している。豊田市の「豊(ゆたか)と牛肉の風味の「豊かさ」とをかけて命名された。


「谷澤牧場直営 ゆたか牛直販所」の外観

 店頭には、すき焼き・しゃぶしゃぶ用スライス、焼き肉用(カルビ・モモ)、ステーキ用(ヒレ・モモ)をはじめ、ゆたか牛しぐれ煮や牛餃子、ローストビーフ等の加工品もある。評判は上々で県外からも足を運ぶ方もいる。

 谷澤さんはもともと実家である牧場で経産牛の飼育を行っていた。市場における経産牛の評価は高いとは言い難く、その評価を変えていきたいという強い気持ちから「ゆたか牛」の取り組みは始まった。

納得の飼料で高品質

 甘味のある風味豊かな肉質となるよう、飼料は、オリジナルのブレンドのものを与えている。米ぬか、ビール粕、トウモロコシ等にゴマ粕を加え、乳酸菌で発酵させたもので、10年以上の歳月をかけて最適な飼料を研究し、納得のいくものに仕上げた。また、毎日牛の健康状態を細かく観察し、より最適な飼育と肥育を常に心掛けている。


加工品コーナー

不可価値を求めて

 「枠に囚われず、様々なことに挑戦していきたい。」と谷澤さんは笑顔で話す。異なる視点からオリジナリティを出し、注目されていなかったものに創意工夫を加え、付加価値をつけ、自らが創り上げた「ゆたか牛」で地域を盛り上げていく。谷澤さんの挑戦はまだ始まったばかりである。
 谷澤さんは、牧場経営の傍ら、直販所での営業をしているため、営業日は毎週火曜日の12時から16時までという限られた時間となっている。
 現在「ゆたか牛」を一般販売しているのは直販店のみ。今後は加工品にも更に力を入れ、長期間保存が利く冷凍ハンバーグやメンチカツ等新商品の開発も行っていく予定だ。

▽「谷澤牧場直営 ゆたか牛直販所」=豊田市桝塚西町北屋敷120‐3〈谷澤牧場隣〉(℡0565・47・1330)
▽ホームページ
谷澤牧場直営 ゆたか牛直販所
(小川)